小久保玲央ブライアンはA代表の正守護神になれる?パリ五輪での活躍に期待が高まる!

小久保玲央ブライアン A代表

「日本代表の正守護神は誰ですか?」

この質問にハッキリと答えられる人は多くないでしょう。

それほど、森保ジャパンにおける“正守護神不在問題”は、重要な課題となっています。

そんな中、U-23アジア杯での好セーブによって、A代表の正守護神争いに名乗りを上げているのが小久保玲央ブライアン選手です。

高い身体能力と、守備範囲の広さを武器に、周囲からの評価を高めている小久保玲央ブライアン選手は、A代表の正守護神になれるのでしょうか。

今回は、A代表正守護神への待望論が浮上している、小久保玲央ブライアン選手のポテンシャルについて深掘りしていきます

AFCアジア杯2023で正守護神を務めた鈴木彩艶選手との比較や、小久保玲央ブライアン選手がA代表正守護神になるための課題も解説していきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

この記事を読めば、A代表正守護神争いのターニングポイントとなる「パリ五輪」の応援に、より熱が入るはずです。

小久保玲央ブライアンはA代表の正守護神になれる?

小久保玲央ブライアン画像引用元:Number Web

小久保玲央ブライアン選手は、A代表の正守護神になれる可能性を秘めたゴールキーパーです

2024年6月に行われたU-23日本代表の国際親善試合に、正守護神争いのライバルである鈴木彩艶選手とともに選出。

U-23米国代表戦の先発出場を任された小久保玲央ブライアン選手は、好セーブを連発します。

身長193cmの高さを生かした空中戦と、スピードを生かした守備範囲の広さで、“パリ五輪経由A代表行き”を強烈にアピールしました。

さらに、“森保ジャパン”では、かつての日本代表GK川口能活や楢崎正剛、川島永嗣といった、絶対的な守護神を見つけられていないことが課題の一つに挙げられます。

2023-2024シーズン、森保一監督がテストしてきた主なGKは以下の5選手です。

  • 鈴木彩艶選手(シントトロイデンVV)
  • 野澤大志ブライトン(FC東京)
  • 前川黛也選手(ヴィッセル神戸)
  • 大迫敬介選手(サンフレッチェ広島)
  • 谷晃生選手(FC町田ゼルビア)

AFCアジア杯2023では鈴木彩艶選手が正GKを務めるも不安定なプレーが続き、信頼を勝ち取るに至っていません。

また、2024年6月に行われた北中米W杯アジア2次予選では、ミャンマー戦で前川黛也選手を先発起用。続くシリア戦では、大迫敬介選手を先発起用し、後半には谷晃生選手に交代しています。

野沢大志ブライトン選手は、これまでA代表に招集されるものの試合出場はありません。

森保一監督の采配からも見て取れる横一線の日本代表正守護神争いに、小久保玲央ブライアン選手が食い込んでくる可能性は十分にあります

それだけでなく、2024年7月に開催されるパリ五輪での大ブレイク、さらには、来季所属クラブでの定位置確保となれば、日本代表正守護神争いで、頭ひとつ抜け出る存在になってもおかしくありません。

鈴木彩艶との比較

小久保玲央ブライアン 鈴木彩艶画像引用元:FOOTBALL ZONE

日本代表の正守護神候補として、小久保玲央ブライアン選手と常に比較されるのは鈴木彩艶選手です。

鈴木彩艶選手自身も、小久保玲央ブライアン選手のパフォーマンスを意識していると語っています。

「小久保選手が非常に素晴らしいパフォーマンスをして、自分としては常に危機感しかない。今回の遠征も競争になると思っている」

引用:朝日朝日新聞DIGITAL

ここでは、以下の3つのポイントに絞って、小久保玲央ブライアン選手と鈴木彩艶選手の比較をしていきます。

  • 基本情報
  • プレースタイルの特徴
  • 所属クラブでの実績

それでは、それぞれを見ていきましょう。

基本情報

小久保玲央ブライアン選手、鈴木彩艶選手。2人の基本情報は以下の通りです。

基本情報 小久保玲央ブライアン 鈴木彩艶
生年月日(年齢) 2001年1月23日(23歳) 2002年8月21日(21歳)
両親出身地 父:ナイジェリア/母:日本 父:ガーナ/母:日本
身長 193cm 192cm
体重 78kg 98kg
利き足 右足 右足
所属クラブ SLベンフィカ(ポルトガル) シントトロイデンW(ベルギー)

年齢や身長、さらに、父親が外国人であることなど、2人には類似している点が多くみられます。多くの人が、2人を比較対象にするのも納得です。

プレースタイルの特徴

小久保玲央ブライアン選手のプレースタイルの特徴は以下の通りです。

  • 193cmの高さを生かした空中戦
  • スピードを生かした広い守備範囲
  • 試合の流れを読んだ的確な判断能力

続いて、鈴木彩艶選手のプレースタイルの特徴は以下の通りです。

  • 判断能力に優れたクロスボール対応
  • 強靭なフィジカルを生かした鋭い反応
  • 精度の高いキックによるビルドアップ能力

190cmを超える身長と、高い身体能力を武器にしたセービングは、2人に共通している特徴といえます。

そして、2人のプレースタイルに違いがでるのはここからです。

小久保玲央ブライアン選手のプレースタイルにおける最大の特徴は、「守備範囲の広さ」です。

ときにはペナルティエリアの外まで飛び出していく機動力。そして、試合の流れを読んだ的確な判断能力。この2つの特徴を生かした守備範囲の広さは、日本でNo.1とも評されます

一方で、鈴木彩艶選手のプレースタイルにおける最大の特徴は、「精度の高いビルドアップ」です。

まるでフィールドプレーヤーのような高い精度のキックで、後方からの攻撃を組み立てます。

さらに、強靭な身体能力を生かした驚異的なスローイングで、前線の選手へ正確にボールを届けます。

2人のプレースタイルを分けるとすれば「守備の小久保玲央ブライアン」と、「攻撃の鈴木彩艶」といったところでしょうか。

お互いのプレースタイルに刺激を受けながら、これからも切磋琢磨していってほしいですね。

所属クラブでの実績

所属クラブでの実績は、鈴木彩艶選手が一歩も二歩もリードしているといえます。

小久保玲央ブライアン選手は、現在所属するSLベンフィカ(ポルトガル)でトップチームの出場がなく、今季はベンチ入りすらできていません。

さらに、主に出場しているベンフィカB(リザーブチーム)でも定位置を確保できていないのが現状です。

一方、現在シントトロイデンVV(ベルギー)に所属する鈴木彩艶選手は、海外挑戦1年目ながらリーグ戦32試合に出場し、しっかりと定位置を確保しています。

さらに、所属クラブでの活躍と、鈴木彩艶選手の将来性に注目した欧州名門クラブから、獲得オファーが届いているとも報じられています。

A代表正守護神への期待が高まる2人ですが、所属クラブでの現状は対照的な立場となっているようです。

小久保玲央ブライアンがA代表の正守護神になるための課題は?

小久保玲央ブライアン画像引用元:FOOTBALL ZONE

小久保玲央ブライアン選手が、A代表の正守護神になるための唯一の課題は「経験」です。

U-23日本代表での活躍がクローズアップされている小久保玲央ブライアン選手ですが、現在所属するベンフィカでは、今季もレギュラーポジションの獲得には至っていません

当然、所属クラブでの試合数が少なければ、経験値の面で大きなデメリットとなり、代表招集さえも遠のきます。

実際、日本代表の森保一監督は、招集基準の一つとして「所属クラブでのパフォーマンス」を挙げています。

小久保玲央ブライアン選手自身もそのことをよく理解しており、目標としているA代表入りを果たすために「試合に出続けないといけない」と、語気を強めて話します。

【2023-2024年シーズン】所属クラブでの成績

今季、小久保玲央ブライアン選手が主に出場したのは、ベンフィカのリザーブチームに位置付けられる「ベンフィカB」です。

2023-2024年シーズン、ベンフィカBでの成績は以下の通りです。

全試合数 出場試合数 失点数 完封試合数 平均失点数
34試合 16試合 19点 3試合 1.19点

今季は開幕から正GKとして試合出場を続けますが、2月以後は徐々に出場機会を失い、ベンチ入りすら危うい状況になってしまいます。

結果的に、ベンフィカBでの出場試合数は、リーグ全34試合の半分にも達しない16試合にとどまりました

また、ベンフィカのトップチームには、2022年5月に初のベンチ入りを果たしたものの、これまで一度も出場機会を与えられていません。

それどころか、各国代表クラスのGKがしのぎを削るベンフィカトップチームでの序列は4番手以降ともいわれており、今季はリーグ戦全試合でベンチ外となりました。

来季もベンフィカ残留か、それとも移籍か。どちらの道を選んだとしても、A代表で正守護神の座をつかみ取るためには、「所属クラブでの定位置確保」が最優先となるでしょう。

小久保玲央ブライアン選手がどのような決断をするのか、今後の去就にも注目が集まります。

小久保玲央ブライアンの日本代表経歴

小久保玲央ブライアン画像引用元:SOCCER KING

小久保玲央ブライアン選手の、日本代表経歴は以下の通りです。

シーズン 代表カテゴリー 大会等
2016年 U-16日本本代表 ・U-17フォー・ネイションズ・トーナメント
・中国遠征
・インド・ベトナム遠征
2018-2019年 U-18日本本代表 ・SBSカップ国際ユースサッカー
・リスボン国際トーナメントU18
・ポルトガル遠征
・スペイン遠征
・AFC U-19選手権
2022年 U-21日本本代表 ・ドバイカップU-23
・AFC U23アジアカップ
・欧州遠征
2023年 U-22日本本代表 ・欧州遠征
・AFC U23アジアカップ予選
2024年 U-23日本本代表 ・AFC U23アジアカップ
・アメリカ遠征

これまで、A代表の招集歴はありませんが、各世代の日本代表には飛び級で選出されてきました。

その中で最も強烈なインパクトを与えたのは、U-23日本代表として参加した、AFC U23アジア杯でしょう。

この大会、小久保玲央ブライアン選手は、U-23日本代表の正守護神として全6試合中5試合で先発出場。アジア杯独特の緊迫した雰囲気のなかでも好セーブを連発し、8年ぶりの優勝に大きく貢献しました。

特に、U-23ウズベキスタン代表との決勝戦でみせた、後半アディショナルタイムでのPKストップでは、大舞台での勝負強さを証明してみせました。

ゴールキーパーにとって、安定感のあるセービングはもちろん重要です。しかし、絶対的な守護神が見つかっていない今の日本代表にとって、たったワンプレーで試合の雰囲気を変えてくれる“スター性”をもった選手が求められているのかもしれません。

A代表の正守護神争いに世間の声は?

A代表の正守護神争いについて、世間の声はどうでしょうか。

Xに投稿された、サッカーファンの意見を見ていきましょう。

いまだ定まらないA代表の正守護神争いに、サッカーファンの関心が高まっているのが分かります。

鈴木彩艶選手(ベルギー・シントトロイデン)や、長田澪選手(オランダ・フォレンダム)など、高いポテンシャルを秘めた若手GKを推す声が多いなか、最も多く名前が挙がっていたのは小久保玲央ブライアン選手(ポルトガル・ベンフィカ)でした。

やはり、好セーブを連発したAFC U23アジア杯でのインパクトが大きかったようです。

一方で、小久保玲央ブライアン選手には、所属クラブでの出場機会を得れていないことを懸念する冷静な意見もありました。

もちろん、A代表への招集や、正GKの采配を下すのは、日本サッカー協会や日本代表監督です。

しかし、「A代表の正守護神」として、世間への認知度を広めていくのは、サッカーファンからの期待や信頼、応援の声ではないでしょうか。

今後も注目されるA代表正守護神争いを、サッカーファンの熱い声援でサポートしていきたいですね。

まとめ

今回は、「小久保玲央ブライアン選手はA代表の正守護神になれるのか?」そのポテンシャルを深掘りしてきました。

この記事のまとめは以下の通りです。

  • A代表の正守護神になれる?:パリ五輪での活躍次第で正守護神争いに食い込んでくる可能性は十分にある
  • 鈴木彩艶選手との比較:2人の基本情報には類似点が多い / プレースタイルは「守備の小久保玲央ブライアン」「攻撃の鈴木彩艶」/ 所属クラブでの実績は鈴木彩艶選手がリード
  • A代表の正守護神になるための課題:経験不足 / 所属クラブでの定位置確保が必須
  • 日本代表経歴:A代表招集歴はなし / 各カテゴリーの代表には飛び級で選出されてきた

現在、絶対的な存在が見つかっていない「A代表正守護神の座」をめぐる争いは熾烈を極めています。

さあ、小久保玲央ブライアン選手は、たった1人しか立つことが許されないA代表の正守護神の座をつかみ取ることはできるのでしょうか。

まずは、パリ五輪での活躍に期待が高まります。